白内障の眼内レンズの種類
眼内レンズは、アクリルなどの素材で作られた半永久的なレンズです。予めピントの位置が決まっていて、その違いにより、単焦点レンズと多焦点レンズに分けられます。
単焦点レンズについて
単焦点レンズは「近く」か「遠く」のどちらか一方にピントが合っています。
- 遠くにピントが合ったレンズは、近くを見るための老眼鏡が必要です。
- 近くにピントが合ったレンズは、車の運転など遠くを見るための眼鏡が必要です。
そのほかにも、夜間の視力をクリアにする非球面レンズや術後に青く見える症状を軽減する薄い黄色のレンズ、乱視を軽減するものなどさまざまな種類があります。(非球面レンズは像のゆがみが少ない=収差が低いレンズ、です。)
費用は保険適用され、3割負担で片目約6万円です。収入や年齢によって値段が変わり、一般的な後期高齢者なら月額上限14,000円です。
多焦点レンズについて
多焦点レンズは1枚で「遠く」と「近く」の両方にピントが合っています。そのため老眼を解消する目的もあって、近年急速に普及が進んでいます。
ただ多焦点レンズを入れても期待外れなこともあり、眼内レンズを取り出す手術を受ける人もいます。
一方、よく見えないのは「脳が慣れていない」ことにも関係していて、3~6か月、あるいは1年と時間をかけていくうちに見えてくる人も多いです。
多焦点レンズはその違いにより次の2つのタイプがあります。
- 回折型・・・中間から近くが見えやすい
- 屈折型・・・中間から遠くが見えやすい
本や新聞、パソコンなど近くを見ることを優先させたいかた、高齢者に向いています。
車の運転や旅行など外で活動する機会が多いかた、比較的若いかたに向いています。
※すべての病院で多焦点レンズを扱っているとは限りません。
また単焦点レンズに比べて、次のようなデメリットがあります。
- 夜間はやや見えづらく、対向車のライトがまぶしい
- ピントの合わせ方が甘いため、見え方の質がいくらか劣る
- 「近く」のピントが手元から30~40センチのところと決まっているため、少しでも離れると見えづらくなる
- 緑内障などの合併症があると使えない
費用は保険適用されず、すべて自費です。ただし先進医療認定され、先進医療特約給付金が使えるタイプがあります。
多焦点レンズは事前に医師から十分説明を受け、納得したうえで手術を受けるようにしましょう。
多焦点レンズの主な種類と特徴
現在使われている主な多焦点レンズを、特徴や費用、トーリックレンズの有無も含めてまとめてみました。
トーリックは、乱視を矯正できるレンズで2009年より日本でも解禁されました。
名称 |
焦点・構造 |
特徴 |
トーリック(乱視矯正)タイプ |
先進医療特約 |
費用(病院により異なります) |
---|---|---|---|---|---|
テクニス マルチ |
遠くと近くの2焦点。回折型 |
・最も普及している多焦点眼内レンズ ・「近く」の焦点は、30cm、40cm、50㎝、の3種類がある。 ・夜間運転時のライトがまぶしい |
あり |
先進医療特約給付金が使える。 | 片目約35万円 |
テクニス シンフォニー |
遠くから中間(50㎝)までピントの合う領域が自然に広がる。 |
・夜間運転時のライトはさほどまぶしくない ・手元のピントが合いにくい。老眼鏡必要。 |
2018年以降可能になる予定 | 先進医療特約給付金が使える | 片目約35万円 |
レンティスMplus | 遠くと近く(40㎝)の2焦点 。屈折型 |
・暗くならない自然な見え方。夜間運転時のライトもまぶしくない。 ・遠くの見え方の質が良い。 ・完全オーダーメイド。 1か月くらいかかる。 |
あり |
先進医療特約給付金が使えない | 片目約45万円 |
ファイン ビジョン |
遠くと近く(40㎝)と中間(65㎝)の3焦点 。回折型 |
・遠くから手元までよく見えて満足の高いレンズ。 ・夜間運転時のライトがまぶしい |
あり |
先進医療特約給付金が使えない | 片目約45万円 |
ミニウェル | 世界初の累進焦点 。遠くから近く(40㎝)までスムーズに見える。 |
・多焦点眼内レンズのデメリットである夜間の光のまぶしさやにじみがほとんどなし。 ・ドライバーや夜間仕事の人にもおすすめ。 ・手元20~30㎝ではピントが合いにくい。 |
なし |
先進医療特約給付金が使えない | 片目約45万円 |
多焦点レンズと単焦点レンズの違い
多焦点レンズと単焦点レンズを比較してみました。選ぶ際の参考にしてみてください。
単焦点眼内レンズ |
多焦点眼内レンズ |
|
---|---|---|
ピント |
「遠く」か「近く」かどちらか一点に合っている |
「遠く」と「近く」の両方に合っている |
見え方 |
・ピントが合っているほうは鮮明に見えるが、合ってないほうは不鮮明 |
・夜間に車のライトがまぶしかったり滲んだりすることがある ・期待していたほど鮮明には感じられないことも |
メガネ |
確実に必要 |
必要だが、できるだけかけたくない人向け |
向いている人 |
・眼鏡をしてでも鮮明な見え方を望む ・夜間の運転や手元の細かい仕事をする ・合併症がある |
・手術前まで眼鏡をかけた経験がない ・夜間の運転をしない ・合併症がない |
費用 |
保険適用。安い |
自費。高い |
術前にドクターの説明をよく聞いて、自分の仕事やライフスタイルに合った眼内レンズを選ぶとよいでしょう。
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